公開日 : 2025年12月18日
最終更新日 : 2026年8月19日
2026年1月1日より、IATA危険物規則書(DGR)第67版が適用されています。
リチウムイオン電池の航空輸送では、これまで以上に安全への配慮が求められています。国連やIATA、国土交通省などにより、航空輸送に関する規則は年々強化されており、迅速な対応が欠かせません。弊社では、安全性を重視した設計や部品の採用に加え、こうした規則の変化にも的確に対応し、より安心してご使用いただけるリチウムイオン電池の提供に努めております。
2026年から機器と同梱する電池のSoC制限が強化
リチウムイオン電池を機器と同じ梱包に入れて航空輸送する場合(UN3481、Packing Instruction 966:PI966)、2026年1月1日から充電状態(SoC:State of Charge)に関する規定が強化されました。対象となるリチウムイオン電池については、原則としてSoCを定格容量の30%以下として輸送する必要があります。
一方、リチウムイオン電池が機器に組み込まれている場合(UN3481、Packing Instruction 967)は、SoCを30%以下、または機器の表示器などで確認できる残容量を25%以下として輸送することが推奨されています。
PI967の低充電状態は現時点では必須条件ではありませんが、IATAでは安全対策として強く推奨されています。
このように、同じUN3481であっても、電池を「機器と同梱する場合」と「機器に内蔵する場合」では取扱いが異なります。
UN38.3への適合確認
リチウムイオン電池を航空輸送する場合、原則としてUN Manual of Tests and Criteria Part III, Subsection 38.3(UN38.3)で定められた試験への適合が必要です。海外への出荷や航空輸送を予定している製品では、使用するセルや電池パックのUN38.3への適合状況をあらかじめ確認しておくことが重要です。
モバイルバッテリーの機内持込みルールも変更
モバイルバッテリーは、航空輸送上は機器に内蔵された電池ではなく、電池そのものとして扱われます。日本では2025年7月8日から、モバイルバッテリーを座席上の収納棚に収納せず、状態を確認できる場所に保管する取扱いとなりました。
さらに2026年4月24日から、以下のルールが追加されています。
- 機内へ持ち込めるモバイルバッテリーは2個まで(160Wh以下)
- 機内でモバイルバッテリーを充電しない
- モバイルバッテリーから他の電子機器へ充電しない
モバイルバッテリーを預入(受託)手荷物に入れることは禁止されています。また、航空会社によって独自の制限が設けられている場合があるため、実際の搭乗時には利用する航空会社の最新情報をご確認ください。
電池パックの設計段階から輸送条件の確認を
リチウムイオン電池を使用する製品では、電池そのものの安全性だけでなく、電池単体で輸送するのか、機器と同梱するのか、機器に内蔵するのかなど、実際の輸送形態も考慮する必要があります。
特に海外への出荷や航空輸送を予定している場合は、使用するセルや電池パックの容量、UN38.3への適合状況、輸送形態、SoCなどを設計段階から確認しておくことが重要です。
弊社では、用途や必要容量、機器への搭載方法などを確認しながら、リチウムイオン電池・電池パックの選定、設計、製作についてご相談を承っています。
航空輸送を予定している製品への電池採用を検討されている場合や、現在お使いの電池について航空輸送でお困りの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
航空輸送に関する規則や航空会社・運送事業者の受託条件は変更される場合があります。
実際に出荷する際には、最新のIATA DGR、国土交通省の情報、および利用する航空会社・運送事業者の規定をご確認ください。










